ART IN THE OFFICE 2025 作品「福来旗(フライキ)」完成!

「ART IN THE OFFICE 2025」受賞作品《福来旗(フライキ)》が無事完成し、Art in the office主催のマネックスグループよりプレスリリースがございましたので、ご報告させて頂きます!✨
緯糸素材集め等ご協力くださった全国の皆さま、コンペ運営協力会社の皆さま、マネックスグループの社員の皆さま、いつも応援くださっている皆さまに、心より感謝申し上げます!😭✨
作家としての新しい道がひらけた、生きてるーーーー!って感じの、本当に本当にたのしい制作でした!!✨
今後とも、進化し続けられるようたのしく頑張って参りますので、引き続き応援を頂けましたら嬉しいです📣♪
どうぞよろしくお願い申し上げます!🙏
作品が展示されているプレスルーム(GALAXY)

作品: 鬼原美希/「福来旗(フライキ)」/2025/大漁旗、漁網、イカ釣り漁具、ウキ、ウキ用ロープ、ボンデン旗、カゴ型漁具、養殖網、海産物保管用ネット、テント、浮き輪、店頭用のぼり旗、米袋、園芸ネット、傘、雨ガッパ、ショッピングバッグ、Tシャツ、レジャーシート、ビニールシート、非粘着テープ、ポリエチレンロープ/w 10000× h 1700(mm)

2015年に、ポータブル織機を携え船で世界一周をしながら、各寄港地で集めた素材を織り込んだ《たびするおりびと》を制作しました。これをきっかけに、世界中を旅し体験したことをタペストリーで表現してきました。どっしりした機織り機のイメージが強い「織り」ですが、実は今現在もポータブルな織機が各国で活躍しています。中南米などでは、家の柱に経糸(たていと)を結んで腰のベルトで引っ張り、地べたに座っておしゃべりしながら織っていたり、サハラ砂漠では、ベルベル人が簡易織機で織った布を家具として遊牧していたり。「織り」は、本来とても自由で、ポータブルで、その土地の文化や風土を雄弁に語り、生活に彩りを与えてくれるものだと感じます。

本作は、東北地方で福来旗(フライキ)と呼ばれる大漁旗にインスピレーションを得た手織りの作品です。プレスルームの湾曲壁面に経糸を張ることで、壁そのものを織機化し、6日間の滞在制作中にタペストリーを一から織り上げました。このチャレンジを通して、新しい織りのノマドスタイルの発見と、プレスルーム付近を通るビジネスワーカーの方々とのふれあいが織りの表現に活かされるシナジー効果を体感しました。本作においては、作品が生活の中にもたらすコミュニケーション、見る人が自分のこととして捉えられる感情の動きが大切だと考えていたため、作品の最後の1ブロックを20名の社員のみなさんと一緒に織り上げました。これにより、本作ならではの魅力が加わったと感じています。

素材には、全国から集めた、使われなくなった大漁旗や漁網などの漁具、お店の幟旗やテントなどを用いました。「大漁旗」というテーマに適した背景をもつ素材で描くとともに、屋外で使用されてきた廃材を織り込むことで、サステナブルかつ展示場所を選ばないストリートアートへの道も拓けました。

素材を提供下さった方々の想い、社員のみなさんとの笑顔の時間が織り込まれた《福来旗(フライキ)》は、約1年間プレスルームからみなさんを応援したあと、私の個展に合わせて全国を旅します。

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